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2021 年度 実施状況報告書

ミトコンドリアDNAメチローム解析による動脈硬化機序解明と動脈硬化マーカー開発

研究課題

研究課題/領域番号 18K15427
研究機関岩手医科大学

研究代表者

三上 貴浩  岩手医科大学, 医学部, 助教 (90804419)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2023-03-31
キーワード頸動脈狭窄症 / 動脈硬化症
研究実績の概要

アテローム血栓症(atherothrombosis; ATIS)は、動脈のアテローム性動脈硬化を基盤に発生する血栓症である。ATISには、脳卒中(cerebrovascular disease; CVD)の一つであるアテローム血栓性脳梗塞や一過性脳虚血、狭心症を含む冠動脈疾患(coronary artery disease; CAD)、末梢動脈疾患(peripheral arterial disease; PAD)などが含まれる。ATISのリスク因子としてREACH Registryで挙げられている病態が頸動脈狭窄症(carotid artery stenosis; CAS)である。
我々はSELDI-TOF-MS (表面増強レーザー脱離イオン化-飛行時間型質量分析計)を用いた血中ペプチドのスクリーニングによって、CASの存在と高度に相関するペプチド水和物を見出し、その産生カスケード活性を示す評価指標(X)を考案した。さらにXの意義を検証するため、REACH RegistryでのATISリスク因子を有する集団を解析することで、その評価指標XがCASやその他の各ATIS疾患に対して、既存マーカー・リスク因子と比較して格段に強力な疾患予測因子であることを証明した。
Spearman相関分析からリスク因子間での多重共線性は回避されていることが証明され、本集団が統計学的解析に適することを確認済みである。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

すでに統計解析を完了し、論文を作成中であるため。

今後の研究の推進方策

今後の研究はその目的を以下の2点に絞って遂行する。①血漿中Xの変動と関連するトランスクリプトームやDNAメチロームを解明し、CASの最初期の病態を理解するとともに、②CAS発症を予測する新規病態の解明や新しい指標の構築を試みる。併せて、ATIS予防治療・動脈硬化症治療におけるdrug targetを探索する。
アテローム性動脈硬化症の病態をゲノムレベルで解明することを目的として、CASの存在やX値の増加に関連するトランスクリプトームやDNAメチル化マーカーを探索する。この際に、核DNAのみならずミトコンドリアDNAも含めて、相関するメチル化サイトを検索する。さらに、本研究で得られたデータはデータベースとして構築、WEBに公開し、アテローム性動脈硬化症の幅広い研究に提供する。
CASは全身性のアテローム性動脈硬化症のリスク因子であることからも、CASのオミックス解析を通じて、アテローム性動脈硬化症のより基礎にある病態の解明に大きく貢献する。さらに、ミトコンドリアDNAのメチル化プロファイルの探索によって、ミトコンドリアと関連する新規病態を解明する。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウイルス感染症の影響に伴い、予定していた研究の一部が延期されたため。
全血球細胞からRNAを抽出し、RNA-seqを行うことを予定しており、これに係る費用に充てる。

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公開日: 2022-12-28  

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