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2019 年度 実施状況報告書

心音・心機図を用いた心臓診察による肺高血圧症早期診断の試み

研究課題

研究課題/領域番号 18K15432
研究機関杏林大学

研究代表者

山崎 聡子  杏林大学, 医学部, 助教 (90782863)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード肺高血圧症 / 心音図 / 肺性Ⅱ音の亢進
研究実績の概要

現在新型コロナウイルス感染の影響のため新規症例登録を休止している。これまでに施行した肺高血圧症患者214例(性別 女性79%、平均年齢は56歳、mean PAP平均値34mmHg)をmeanPAP25未満の境界群、25以上40未満の軽中等症群、40以上の重症群に分類し検討を行った。なお、境界群は健常人という意味ではなく治療後にmean PAPが正常化した症例や、症候的には肺高血圧症が疑われるが、安静時のmean PAPは25未満で診断基準に満たなかった症例が含まれる。
肺高血圧の重症度による比較では、心音図の肺性Ⅱ音成分において、波長・振幅いずれの肺動脈成分/大動脈成分比も境界群が軽中等症群/重症群に比べて有意に小さい傾向であったが、軽中等症群-重症群における差はみられなかった。
Mean PAP 25mmHg以上の軽中等症以上の群の診断に対するROC解析では、波長PA比のAUCが0.82、1.33以上をカットオフ値とした場合の感度は75%、特異度79%であった。また振幅PA比によるROC解析ではAUCが0.79、0.70以上をカットオフ値とした場合の感度は93%、特異度55%であった。
右心循環動態指標との相関について評価したが、mean PAPを含めたこれらの指標で有意差を認めたものの、強い相関はみられなかった。
肺高血圧の基準となるmean PAP ≧25mmHgの診断に対するROC解析では波長、振幅いずれのP/A比も肺高血圧症の早期診断に有用である可能性が示唆された。しかし軽中等症以上の重症度の鑑別や、その他の右心機能の評価には有用でないと考えられた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

新型コロナウイルス感染症拡大に伴い新規症例登録を見合わせておりやや遅れている。研究計画には不具合等認めていない。

今後の研究の推進方策

状況を見ながら新規症例登録を再開するとともに、、他検査との関連や治療経過などを含めて検討を重ねていく。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウイルス感染流行のため新規登録を休止し、学会発表も延期となったため当該年度の所要額が減少した。感染の状況をみて再開時期を判断し、データ取得に必要な物品の購入および発表のための経費(論文製作、校正、学会発表旅費等)に使用する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2019

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 肺高血圧症診断における心音図を用いたII音計測の有用性2019

    • 著者名/発表者名
      山﨑 聡子
    • 学会等名
      第66回  日本臨床検査医学会 学術集会

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公開日: 2021-01-27  

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