2009~18年にRHCを施行した肺高血圧症患者214例にてRHC前後に記録した心音図を解析した。II音波長比、振幅比はいずれも有意にmPAPと相関して高い傾向であり、波長比は右房圧、右室拡張末期圧、肺血管抵抗と、振幅比は肺血管抵抗と有意に相関していた。重症度比較では、波長比、振幅比ともに境界群-軽中等症、境界群-重症で有意差を認めるも、軽中等症-重症では有意差がみられなかった。ROC解析で波長比カットオフ値≧1.33で感度75%、特異度79%、振幅比カットオフ値≧0.70で感度93%、特異度55%であり、II音P/A比、特に波長比が肺高血圧診断に有用であると考えられた。
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