研究課題/領域番号 |
18K15434
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研究機関 | 聖マリアンナ医科大学 |
研究代表者 |
家 研也 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 講師 (20608939)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | ポリファーマシー / 老年医学 / 潜在的不適切処方 |
研究実績の概要 |
ポリファーマシーが高齢者の入院や死亡を増やし、医療費増大にもつながることが社会的に問題視されている。対策として、薬剤有害事象につながりうる潜在的不適切処方をリスト化して注意喚起することが広く行われてきた。特に幅広く普及したリストとしてScreening Tool of Older Persons’ Prescriptions(STOPP)が知られる。このSTOPP/STARTによる介入が転倒の減少、入院期間の短縮、救急受診の抑制、医療費の抑制と関わることが示されているものの、介入による死亡や再入院など、より重要性の高いアウトカムの改善は証明されていない。本研究は多職種チームによるSTOPP/STARTと処方適正化プロトコルを相補的に活用した介入が高齢入院患者の死亡、再入院、予定外受診へ及ぼす効果を単施設並行群間比較試験により検証することを目的としている。処方適正化介入により、将来的な薬剤有害事象を減らし、ひいては再入院、死亡、予定外受診などの好ましくない臨床アウトカムを減少させる効果が期待される。 2018年度は本学の生命倫理委員会に研究計画審査を依頼し、倫理委員会承認を得た。また、減薬介入を実施中の他医療機関の視察などを行い、院内外の関係各所へ研究の協力要請を行うなど研究体制の構築を図った。2019年度初旬に、症例エントリーを開始することのできるよう、引き続き研究体制の構築中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
前述のように、当初計画通り2018年度中に倫理委員会承認と研究体制の構築をほぼ完了できおており、2019年度中から症例エントリーを開始する準備が整いつつあるなど、概ね計画通りに進捗している。
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今後の研究の推進方策 |
2019年度初旬からリクルートメント、症例エントリー、および参加者フォローアップを開始し目標症例数500例に達するまで実施する。見込みとしてはエントリー期間は2年間を予定している。2021年度中に最終エントリー症例のフォローアップ期間を完了し、結果解析、論文化を進める方針である。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初計画では、2018年度中に研究体制構築を含め研究補助員を雇用する予定であったが、研究チームでの検討の結果、症例エントリー開始後の電話フォローアップやデータ入力に要する作業量が多いと判断され、研究補助員の雇用を2019年度以降の予定に変更とした。このため、当初2018年度に使用予定であった人件費が2019年度以降に持ち越しで使用する予定でいる。
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