【最終年度に実施した研究成果】 前年度までに460例のエントリーを完了しており、本年度は割付後症例に対するフォローアップを継続し2023年3月にて最終フォローを完了した。これまでの試験関連データ入力を継続しており、今後データ解析、論文発表を予定している。
【研究期間全体を通じた研究成果】 本試験は入院患者を対象とした単施設オープンラベルランダム化比較試験である。65歳以上かつ常用薬が5剤以上ある内科入院患者460名を試験エントリーし、介入群、通常診療群にランダムに割り付けた。介入群では医師および薬剤師からなる処方適正化介入チームによりSTOPP/START及び処方適正化プロトコルに基づいた処方内容レビューを実施し、チーム内での協議により処方調整提案を行い、実際の処方変更は担当医判断に委ねた。両群とも割付から12ヶ月時点まで、2ヶ月毎に電話聞き取りにより経過フォローを行い、主要評価項目は再入院、予定外受診、全原因死亡のいずれかが発生するまでの時間に、副次評価項目として入院中死亡、転倒および転倒による受傷、時間外受診、EQ-5D日本語版スコア、要介護度、内服薬剤数および薬剤名、潜在的不適切処方数および薬剤名、介入に要した人的・時間的コスト、を収集した。現時点で既にフォロー期間は完了しており、データ入力およびデータセットの固定作業中である。今後の統計解析により、多職種による処方適正化介入の効果を明らかにし、発表予定である。
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