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2018 年度 実施状況報告書

高精度持続皮下測定での血糖変動と左室拡張障害の関連の検討―心筋微小循環での意義―

研究課題

研究課題/領域番号 18K15436
研究機関国立研究開発法人国立循環器病研究センター

研究代表者

橡谷 真由  国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 病院, 客員研究員 (80778697)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード拡張不全型心不全 / 2型糖尿病 / 血糖変動
研究実績の概要

近年、高齢化に伴い心収縮不全 がない状態であっても心不全を生じる病態(Heart Failure With Preserved Ejection Fraction: HFpEF)が増加している事が注目されているが、未だ明確な病態や有効な治療法は確立されていない。糖尿病はHFpEFの主要なリスク因子の一 つであり、研究者はこれまで細小血管障害の進行とHFpEF発症が関連することを見出してき た。細小血管障害と左室拡張障害の進行は、炎症や酸化ストレスなどから生じる組織の微小 循環障害が原因となると考えられており、これらは血糖プロファイルの中でも特に血糖変動と関連する事が報告されている。
本研究では、当院通院加療中の2型糖尿病患者(心機能低下、HFpEF発症患者を除外)で、米国Dexcom社が開発したDexcom G6という、従来のCGMSよりも測定精度が高いCGMS機器で、まだ日本には保険収載されていないが、米国において最も使用されている機器を使 用する。血糖プロファイル と微小循環障害、心拡張障害やHFpEF発症との関連を解析する。また、血糖プロファイルと 拡張障害の関連については3年間経年的に測定し、血糖プロファイルと拡張障害の進行の関 連を解析する。さらに同時期にバイオバンク試料を採取し、残余リスクを抽出、新たな HFpEF発症のリスクマーカー同定を行う。
これにより、 2型糖尿病にお けるHFpEF発症のリスク因子を同定し心不全予防のための最適な血糖コントロール目標の確立を目的とする。
本研究は、近年増加し続ける糖尿病患者において、心不全合併を予防することは糖尿病患者の生命予後 改善のために重要な課題である。 また、本研究の成果により、未だ有効な治療法が確立していないHFpEF全体に対する治療戦略解明 へと発展する可能性が高まると考えられる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本院の倫理審査委員会において、本研究と同じ血糖変動測定器であるデキスコムを利用する研究審査の採択が遅れており、デキスコム社からは両研究の同時スタートを指示されているため研究開始が遅れている。5/31の倫理委員会で再度審査されるので、それが通れば倫理委員会の問題は解決予定。

また機器の貸し出しについて、もともとはジョンソンアンドジョンソン社が仲介し、デキスコムの機器が貸し出される予定であったが、両者の契約が解除されたため、危機がデキスコムから直接貸し出されることになり、海外の製造元から直接船で輸送するのに薬事的な問題があった。ジョンソンアンドジョンソン社は引き続き薬事部に確認を依頼するなど協力はしていただいていおり、船で輸送され、届くまで6月末頃になるが、届き次第研究開始ができる予定である。

今後の研究の推進方策

今後デキスコム機器の利用開始とともに外来通院加療中の2型糖尿病患者(心機能低下、HFpEF発症患者を除外)を登録し、心臓超音波検査で測定した心筋拡張障害や13NH3 心筋 PET により、心臓超音波検査では検出されない微小循環障害と拡張障害の 関連を評価す。 血糖プロファイル と微小循環障害、心拡張障害やHFpEF発症との関連を解析する。また、血糖プロファイルと 拡張障害の関連については3年間経年的に測定し、血糖プロファイルと拡張障害の進行の関 連を解析する。さらに同時期にバイオバンク試料を採取し、残余リスクを抽出、新たな HFpEF発症のリスクマーカー同定を行う。

次年度使用額が生じた理由

6月から研究が開始になると、13NH3 心筋 PET を開始することになるため、研究費が必要にになる。

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公開日: 2019-12-27  

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