研究課題
若手研究
通常は非遺伝性疾患である封入体筋炎を家族内に2例の発症者が居る家系について、遺伝性の因子があると仮定して遺伝子解析を行った。家系図からはX染色体潜性遺伝が疑われた。X染色体の連鎖解析を行ったところ、症例数が少ない解析だったため十分に候補領域を絞れなかった。更にハプロタイプ解析を行ったところ、Xp22の1.1 Mbの領域のみ、罹患者同士で共有し、非罹患者同士で共有されていなかった。エクソーム解析を行ったところ、同領域には稀な変異は見つからなかった。
筋疾患
封入体筋炎は病態不明の炎症性筋疾患で、現時点では治療法は存在しない。本研究では家族性封入体筋炎の遺伝子解析を通じて病態解明を試みた。家系の情報からX染色体潜性遺伝が考えられたがエクソン領域に稀な変異は認めなかったことから、今後はイントロン領域の解析が検討される。更なる遺伝的検討により封入体筋炎の病態解明が期待される。