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2019 年度 実施状況報告書

脂肪酸伸長酵素異常による脊髄小脳失調症の病態解明

研究課題

研究課題/領域番号 18K15441
研究機関順天堂大学

研究代表者

尾崎 心  順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 非常勤講師 (10754765)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワード神経学 / 遺伝学 / 小脳失調症 / 神経変性疾患 / 脂質代謝異常 / 代謝性疾患 / 遺伝性疾患
研究実績の概要

1.病理病態解析について進行中であり、現在解析を進めている。:まず、一般神経病理解析を進め、おおむね検討を終了した状況である。そこから判明した事実も加味し、さらに分子レベルの染色などの追加のための準備や、脂質解析を行うための準備を行っている。
2.ELOVL4遺伝子の変異によるSCA34について遺伝学的な精査を進めた。:ELOVL4遺伝子のさらなる変異スペクトラムを探索し、SCA34における変異-表現型の対応の知見を得るために、153人の日本人の未同定(比較的頻度の高いSCA1,2,3/MJD, 6, 31, DRPLAが否定されたコホート)脊髄小脳失調症患者について、ELOVL4遺伝子の変異の有無の解析を行った。
その結果p.T233M変異をヘテロ接合性に有する新たな日本人1家系を同定し、その表現型を精査した。本報告は、実際の小脳失調症患者のコホートにおけるSCA34の疾患頻度を調べた世界初の報告である。また我々は、過去のSCA34の報告とも合わせて、SCA34の疾
患概念として、多系統障害型(認知機能低下・精神症状・眼球運動障害・構音障害・四肢体幹失調・錐体路兆候・錐体外路兆候・末梢神経障害または後索障害・
自律神経障害)の神経学的な特徴、脳MRIでの十字サイン陽性、および皮膚症状(紅斑角皮症;Erythrokeratodermia)などを疾患の特徴として提唱した(Ozaki et al., Parkinsonism and Related Disorders, 2019年5月)。
3.さらに、ELOVL5遺伝子の変異によるSCA38についても遺伝学的な精査を進め、新たな知見を得たため、これをさらに詳細に解析するための準備を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

遺伝学的な解析は順調に進行。一部は既に論文として公表している。
病理病態的な解析についても興味深い結果を得て進行中である。

今後の研究の推進方策

脂質異常による小脳失調症について、SCA34および38を中心にひきつづき病理病態の解析を進める。
神経病理の研究については興味深い結果を得ており、さらに推進する。また脂質解析についても現在技術進歩が盛んであり検討中。
また遺伝学的な解析についても興味深い結果を得ており、これを並行して進める。
当初計画でも予想していたが孤発性神経疾患(同じく多系統障害型の小脳変性症をきたす多系統萎縮症)と脂質代謝のつながりが最近注目されており関連を探る。
また当初、細胞培養の実験計画を検討していたが同様のテーマで研究している他研究室があることが判明したため共同で連絡をとりつつハイレベルな結果を導き
出せるように協力することとなり、現在も連絡をとりつつ研究を進めている。

次年度使用額が生じた理由

概ね研究計画通りに研究が推移したが、試薬の購入などにあてるべき上記609,277円を残額として今年度余した。これは次年度の試薬購入にそのまま充て、引き続き研究を
進めていく予定です。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2019

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 脂肪酸伸長酵素ELOVL4の変異による脊髄小脳失調症34型2019

    • 著者名/発表者名
      尾崎心, 安斉綾香, 延原幸嗣, 荒木俊彦, 久保寺隆行, 石井俊, 東美和, 曽我一将, 入岡隆,三井純,石浦浩之,辻省次,馬嶋貴正,土井宏,岡﨑康司,田中章景,水澤英洋, 石川欽也, 横田隆徳
    • 学会等名
      日本人類遺伝学会第64回大会

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公開日: 2021-01-27  

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