多系統萎縮症(MSA)は,進行性の神経変性疾患で,発症早期での診断は難しいことも多い.そのため早期診断を可能にするバイオマーカーの確立が求められている.本研究ではMSA患者において,脳脊髄液バイオマーカー(α-シヌクレイン(α-syn),Aβ42,総タウ,リン酸化タウ,NG2)を測定し,診断に寄与するか検討した.MSA患者では正常コントロールと比較して,α-syn、Aβ42、リン酸化タウが有意に低値,NG2が有意に上昇していることが示された.また Aβ42は,MSAの認知障害と有意な相関があった.以上から脳脊髄液バイオマーカーがMSAの診断に寄与する可能性が示唆された.
|