今後の研究の推進方策 |
今後、抗IgLON5抗体関連疾患の臨床スペクトラムを明らかにすることを目的として、さらに多数の神経疾患を対象として抗IgLON5抗体の検索を行う。具体的には、MSA, PSP, CBS, PDに加え新たに、その他のタウオパチーとしてfrontotemporal dementia (FTD)、原因不明の不随意運動症や睡眠障害患者も対象とする。それぞれの患者血清を用いた、抗IgLON5抗体の検索を、他施設共同研究として行う予定である。また、本年度抗IgLON5抗体が陽性であった患者の血清を用いて、抗IgLON5抗体の機能解析を行うことにより、抗IgLON5抗体とタウ病理との関連性を検討する予定である。さらに、これまでに我々は、抗IgLON5抗体以外にも当科においてMSA, PSP, CBS, PDと臨床診断された一部の患者において、ニューロンに反応する抗神経抗体が血清中に存在することを、ラット大脳凍結切片を用いた免疫組織学的検討により確認している。本年度は、これらの抗神経抗体の標的抗原の同定と特異性の検討も行う予定である。
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