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2020 年度 実施状況報告書

AARS2変異によるミトコンドリア機能異常を介した白質ジストロフィーの病態解明

研究課題

研究課題/領域番号 18K15448
研究機関京都大学

研究代表者

陣上 直人  京都大学, 医学研究科, 特定病院助教 (80808460)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワードAARS2 / 白質ジストロフィー / ミトコンドリア / 脳血管障害
研究実績の概要

AARS2というミトコンドリアのアラニル tRNA synthetaseという酵素をコードする遺伝子の異常が白質ジストロフィーの原因となることが知られ着目されてい る。白質ジストロフィーは進行性に大脳白質が変性する病態で、様々な背景疾患が想定される。その臨床的特徴の多様性や複雑性により診断を困難としている。 大多数において特異的な治療法は存在せず、治療方法の開発が待たれる病態である。生活習慣病などに起因する脳血管障害等などの環境的要因に加えて、特に若年発症例では遺伝的要因の関与が臨床的な意義をもつ場合が多い。白質ジストロフィーを呈する原因疾患は100以上知られている。網羅的エクソーム解析 (whole exome sequencing : WES)などにより種々の原因遺伝子も特定されつつある。本研究では、なぜAARS2変異によりミトコンドリアの異常を介して白質ジストロ フィーあるいは神経障害を呈するのかを解析することを目的に掲げている。細胞実験モデルとしてHEK293細胞よりtotal RNAを抽出し、mRNAを精製しcDNAを合成 した。cDNAを鋳型にしAARS2内の配列をもつプライマーを用いてPCRで目的バンドを検出し、HEK293細胞でのAARS2発現を確認した。さらにRNA干渉法によるAARS2 の発現抑制する系を構築した。これによりミトコンドリア膜電位が低下したことをMito Trackerを用いて確認した。AARS2の変異がAminoacylation domainあるいは、Editing domainのいずれのdomeinに存在するかによってAARS2酵素活性への影響が異なり表現型に関連すると考えられた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

構築した細胞実験の系において、AARS2の発現抑制がミトコンドリア機能低下をきたすことを確認しており、AARS2に含まれるAminoacylation domainの変異による機能障害がより表現系への影響していることが示唆される。

今後の研究の推進方策

神経細胞などの細胞実験系などに応用することで、白質病変の出現に関わる分子機構の解明への展開が期待できる。

次年度使用額が生じた理由

コロナ禍のため、予定していた旅費の使用が見送られた影響による。
また、本年度行う予定の実験の一部を次年度に移行したため、研究予算の繰越を行なった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2020

すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] Two-point Dynamic Observation of Alzheimer’s Disease Cerebrospinal Fluid Biomarkers in Idiopathic Normal Pressure Hydrocephalus2020

    • 著者名/発表者名
      Naoto Jingami, Kengo Uemura, Megumi Asada, Akira Kuzuya, Ryosuke Takahashi, and Ayae Kinoshita
    • 学会等名
      Alzheimer's Association International Conference 2020
    • 国際学会

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公開日: 2021-12-27  

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