研究課題
若手研究
X染色体連鎖性ミオチュブラーミオパチーは骨格筋の3つ組に変化をきたし筋力低下をきたす疾患である。その病態評価には3つ組構造をもった成熟した骨格筋細胞の作製が必要であるが、これまでの技術では困難であった。本研究ではiPS細胞から遺伝子の導入を行わず骨格筋幹細胞を誘導し、これをベースに骨格筋細胞を作成する新たな技術を開発した。本研究で作成された骨格筋細胞は3つ組構造、サルコメア構造を備え、自発収縮するという特徴を持っていた。本技術を用いて、さまざまな疾患のモデルが可能になると考える。
分子生物学
骨格筋疾患では生後に表現型が出るものが多く、こういった疾患をヒトiPS細胞を用いて評価するためには、ある程度発達段階の進んだ(すなわち成熟した)骨格筋細胞を作成することが必要である。さらに、本研究で作成した骨格筋細胞は遺伝子導入を用いていないため、疾患の遺伝子レベルでの解析により適したものである可能性がある。本技術を用いることで、さまざまな骨格筋疾患の病態評価につながっていく可能性があることが考えられる。