研究課題
若手研究
NMO関連疾患(NMOSD)の病態にミトコンドリアDNAを介した炎症増幅機序が存在していることを証明した。まず、NMOSD患者における髄液ミトコンドリアDNA濃度が他疾患と比較して有意に高く、急性期治療により低下することを見出した。さらに抗AQP4抗体によりアストロサイトからミトコンドリアDNAが細胞外に放出されること、そのミトコンドリアDNAはインフラマソームなどの自然免疫系を介して炎症を促進することを証明した。
神経免疫学
NMOSDにおいて抗AQP4の病原性はすでに証明され、ステロイドパルス療法や血漿交換が急性期治療として確立されている。しかし失明・四肢麻痺など重篤な後遺症が残存する症例が依然として多く存在しており、病態解明の追求および新規治療ターゲットの同定が急務であった。本研究でNMOSDの病態における自然免疫系を起点とした炎症促進機序を証明したことは、新たな治療法の開発に寄与する可能性がある。