これまでに世界中で数多くの神経関連分子が髄液バイオマーカーの候補対象として研究されてきたが、多発性硬化症の臨床で用いられるようになった分子は皆無である。神経機能分子LOTUSが今までに類をみない病勢・病態を反映する新規の血液・髄液バイオマーカーとして有望であることを示した我々の研究は、30年以上も変わらない多発性硬化症の診断と検査法を大きく進歩させ、多発性硬化症の診療・研究を飛躍的に進展させるものである。 また、多発性硬化症が世界的に患者数の多い難病であることを鑑みると、早期治療を可能にする本研究成果は社会への貢献も大きく、さらに本邦発の新たなバイオ産業の創造へとつながる可能性を秘めている。
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