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2018 年度 実施状況報告書

リソソーム分布制御に基づく新規オートファジー誘導機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 18K15464
研究機関順天堂大学

研究代表者

笹澤 有紀子  順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任助教 (20594922)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2020-03-31
キーワードオートファジー / ポリアミン / リソソーム
研究実績の概要

パーキンソン病(PD)は異常タンパク質蓄積を伴う神経細胞死を特徴とする神経変性疾患であり、現時点でも治療は内服・深部脳刺激などの対症療法に留まる。発症予防・進行抑制による根本治療が切望されており、その治療標的としてタンパク質分解系の一つであるオートファジーが注目されている。オートファジーにおけるリソソーム機能の重要性は自明だが、近年リソソームの細胞内分布もオートファジーを制御することが明らかとなった。しかしその機構の全貌は解明されていない。我々はPD患者血清中代謝産物を網羅的に解析し、ポリアミン代謝変動を見出した。ポリアミンは近年、マウス、ハエ、線虫においてオートファジーを誘導することで長寿に貢献する分子として注目されている。我々はポリアミンのオートファジー誘導メカニズムとしてリソソームを核近傍に移動させることを見出し、本年度はその分子メカニズムを解析した。まず、様々な細胞でポリアミンによるリソソーム分布変化/オートファジー誘導能を評価した結果、神経系の細胞でのみ活性を有することがわかった。そこで、ポリアミンが活性を示す細胞と示さない細胞を用いて、抗体アレイによりポリアミンの感受性規定因子を同定を行った。その結果、あるタンパク質の発現がその感受性に大きく影響を与えていることが明らかとなった。さらにそのタンパク質やその下流シグナルの阻害剤がポリアミンによるリソソーム分布変化/オートファジー誘導能の活性を抑制していることを見出した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

抗体アレイを用いた解析で、リソソーム分布変化に関わる新規シグナル伝達経路を同定しているため。

今後の研究の推進方策

今後はシグナル伝達経路の詳細な解析を行う。現在までに同定したタンパク質の下流シグナルによりタンパク質リン酸化が誘導されリソソーム分布変化が誘導されると想定されている。このため、質量分析によるリン酸化部位の同定、リン酸化部位の変異体を用いてその妥当性の検証を行う予定である。

次年度使用額が生じた理由

研究を進めていく上で必要に応じて執行したため当初の研究費の見込み額と執行額は異なったが、研究計画に変更はなく、前年度の研究費も含め、当初予定通りの計画を進めていく予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2018

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Regulation of granulocyte colony-stimulating factor receptor-mediated granulocytic differentiation by C-mannosylation.2018

    • 著者名/発表者名
      Otani K, Niwa Y, Suzuki T, Sato N, Sasazawa Y, Dohmae N, Simizu S.
    • 雑誌名

      Biochem. Biophys. Res. Commun.

      巻: 498 ページ: 466-472

    • DOI

      10.1016/j.bbrc.2018.02.210.

    • 査読あり
  • [雑誌論文] パーキンソン病治療薬の開発展望2018

    • 著者名/発表者名
      笹澤有紀子、斉木臣二、井本正哉
    • 雑誌名

      バイオインダストリー

      巻: 35 ページ: 1-9

  • [学会発表] Cytosporolide類の細胞増殖抑制活性における責任分子標的の同定2018

    • 著者名/発表者名
      大竹慶祐、室井誠、丹羽祐貴、宮嵜奏、笹澤有紀子、長田裕之、清水史郎
    • 学会等名
      第22回日本がん分子標的治療学会学術集会

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公開日: 2019-12-27  

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