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2018 年度 実施状況報告書

ミトコンドリア機能低下がα-Synuclein 凝集を導く分子機序の解明

研究課題

研究課題/領域番号 18K15465
研究機関順天堂大学

研究代表者

孟 紅蕊  順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 博士研究員 (90736498)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2020-03-31
キーワードミトコンドリア / CHCHD2 / α-synuclein
研究実績の概要

交付申請で計画した実験によりCHCHD2変異パーキンソン病患者病理像が新たに分かり、CHDHD2がα-synuclein の凝集化に関与することが強く示唆された。本所見はミトコンドリア機能異常がα-synuclein凝集に積極的に寄与するエビデンスと考えられる。α-synucleinの凝集化は神経変性の原因の一つである。ミトコンドリア変性がα-synuclein凝集を引き起こす分子メカニズムを理解するため、まずCHCHD2変異体導入したハエモデルを用いてα-synucleinの凝集増強が再現できることをわかりました。CHCHD2変異ハエでは、α-synuclein発現加齢と共に界面活性剤であるサルコシルに不溶性のα-synucleinが増加と認めた。
CHCHD2 の変異により生じるミトコンドリアの機能異常が細胞質内ユビキチン化修飾、タンパク質分解系の障害等を導きα-synucleinの凝集促進を検討した。CHCHD2の変異体導入したのハエでユビキチン化修飾状態が高くなることをわかりました。次、CHCHD2変異体によりプロテアソーム活性化高くなると認めたが、α-synuclein導入でさらに増強されることをわかりました。これらの結果より、病因変異によりタンパク質分解系を抑制されることが示唆された。
細菌由来の光駆動型プロトンポンプmito-dRをCHCHD2変異ハエミトコンドリアへ導入することにより、膜電位が回復し、ミトコンドリア機能などが回復と報告されている。光駆動型プロトンポンプをCHCHD2ノックアウトハエに導入し、ミトコンドリア機能改善およびドーパミン神経変性抑制と考えられる。mito-dRの光刺激により、ハエ脳においてα-synucleinの不溶化を抑制することを見出した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究で、ミトコンドリア変性を忠実に再現するパーキンソン病モデルハエを用いてα-synucleinの凝集促進を検討した。CHCHD2変異ハエでは、α-synuclein発現させ、加齢と共に界面活性剤であるサルコシルに不溶性のα-synucleinが増加と認めた。さらに、α-synucleinのTH陽性細胞に発現させ、神経変性起きるミトコンドリアの形態異常等を示した。また、それらのハエのTH神経細胞年齢依存的な脱落再現できることをわかりました。
CHCHD2 の変異により生じるミトコンドリアの機能異常が細胞質内ユビキチン化修飾、タンパク質分解系の障害等を導きα-synucleinの凝集促進を検討した。CHCHD2の変異体導入したのハエでユビキチン化修飾状態、プロテアソーム活性化が高くなることをわかりました。これらの結果をまとめて論文投稿準備中である。以上のことから、おおむね順調に進展していると判断した。

今後の研究の推進方策

CHCHD2変異を導入したハエ神経細胞において、神経興奮による細胞内、ミトコンドリア内Ca2+の濃度変化は、GCaMP6sおよびmito-GCaMP6によるライブイメージングで評価する。さらに、CHCHD2変異を導入したハエ、細胞のミトコンドリアの形態、機能等を観察する。その上に、ミトコンドリア機能維持する試薬アミノレブリン酸を投与して、CHCHD2 の変異により生じるミトコンドリアの機能異常等回復されるかどうかを検討する。

次年度使用額が生じた理由

次年度は、物品費で生化学試薬や抗体、ショウジョウバエ飼育費等に250,000円を充てる予定である。電子顕微鏡サンプル作製、観察委託と電気生理実験用の部品等に650,000円必要とする。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2019 2018

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Twin CHCH Proteins, CHCHD2, and CHCHD10: Key Molecules of Parkinson’s Disease, Amyotrophic Lateral Sclerosis, and Frontotemporal Dementia2019

    • 著者名/発表者名
      Imai Yuzuru、Meng Hongrui、Shiba-Fukushima Kahori、Hattori Nobutaka
    • 雑誌名

      International Journal of Molecular Sciences

      巻: 20 ページ: 908~908

    • DOI

      10.3390/ijms20040908

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] Mutations of CHCHD2 exacerbate α-synuclein accumulation in Drosophila2018

    • 著者名/発表者名
      孟 紅蕊
    • 学会等名
      第41回日本分子生物学会

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公開日: 2019-12-27  

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