研究実績の概要 |
まずは野生型マウスを用いて、急性局所脳虚血再灌流モデルでペマフィブラートが脳梗塞体積、脳出血の合併頻度、脳梗塞に伴う後遺症状に及ぼす影響を検証した。 急性脳梗塞モデルとして、イソフルレン吸入麻酔下でマウスの頸部を正中切開し、頸動脈分岐部より6-0ナイロン糸を頭蓋内内頚動脈に進め前大脳動脈分岐部まで進めることにより中大脳動脈閉塞を作成し、45分後に血流を再開通させるモデルを使用した。中大脳動脈閉塞に際しては、虚血領域の脳血流量はレーザードプラ血流計を用いて継時的に計測した。 C57bl6マウス20匹を用いて中大脳動脈閉塞開始直後にペマフィブラート(0.3 mg/kgまたは1.0 mg/kg)または偽薬を経口投与したところ、vehicle群に比べて、ペマフィブラート投与群では、48時間後の2,3,5-Triphenyl tetrazolium chloride(TTC)染色による脳梗塞体積が小さい傾向が見られた。ペマフィブラート低用量投与群と高用量投与群間では有意な差はなかった。神経学的スコアによる神経症状は、vehicle群に比べてペマフィブラート投与群ではより軽度な傾向がみられた。ペマフィブラート低用量投与群と高用量投与群間では有意な差はなかった。 今後さらにサンプル数を増やして検証をを重ねる予定である。また、永久閉塞モデルやtPAの併用投与などにおいて同様の結果が得られるか検証を行う予定である。
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