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2020 年度 実施状況報告書

虚血性脳血管障害に対するペマフィブラートの効果

研究課題

研究課題/領域番号 18K15469
研究機関東京女子医科大学

研究代表者

星野 岳郎  東京女子医科大学, 医学部, 助教 (30724679)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワード脳梗塞 / ペマフィブラート / PPARa
研究実績の概要

マウス急性局所脳虚血再灌流モデルで、ペマフィブラートが脳梗塞体積、脳出血の合併頻度、脳梗塞に伴う後遺症状に及ぼす影響を検証した。急性脳梗塞モデル として、イソフルレン吸入麻酔下でマウスの頸部を正中切開し、頸動脈分岐部より6-0ナイロン糸を頭蓋内内頚動脈に進め前大脳動脈分岐部まで進めることによ り中大脳動脈閉塞を作成し、45分後に血流を再開通させるモデルを使用した。中大脳動脈閉塞に際しては、虚血領域の脳血流量はレーザードプ ラ血流計を用い て継時的に計測した。
C57bl6マウスを用いて中大脳動脈閉塞開始直後にペマフィブラート(0.3 mg/kgまたは1.0 mg/kg)または偽薬を経口投与したところ、vehicle群に比べて、 ペマ フィブラート投与群では、48時間後の2,3,5-Triphenyl tetrazolium chloride(TTC)染色による脳梗塞体積が有意に縮小していた。ペマフィブラート低用量投与 群と高用量投与群間では有意な差はなかった。神経学的スコアによる神経症状は、vehicle群に比べてペマフィブラート投与群では有意に良好であった。ペマ フィブラート低用量投与群と高用量投与群間では有意な差はなかった。 また、投与前後の血清中の脂質や糖の値に、投与群・非投与群間で差はなかった。ペマフィブラートによる抗炎症効果を検討するため、脳梗塞後の脳組織を用いてWestern blottingを行った。その結果、再灌流3時間後のNF-kB、P-p38MAPKの発現がペマフィブラート群でVehicle群と比べて低下していた。さらに虚血脳の炎症性サイトカインとしてIL-1bやTNFaの遺伝子発現を現在検討している。
また、ペマフィブラートを投与した脳梗塞患者の臨床観察研究を並行して行っている。投与開始3ヶ月後のデータを解析し、現在論文投稿中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

ペマフィブラートによる脳梗塞縮小効果を確認後、そのメカニズムに関わる主要な因子を同定することができた。現在はその下流の因子について検討を進めており、概ね計画通りの進捗である。
臨床研究においても、開始後1年以上が経過し、継続的に患者を登録するとともに、初期使用成績を近く報告予定である。

今後の研究の推進方策

ペマフィブラートの脳梗塞縮小効果が確認でき、その機序としてNF-kBや、P-p38MAPKを介した抗炎症作用が疑われた。次の産物として炎症性サイトカインや炎症関連因子の挙動をRT-PCRや免疫組織学的に検証したいと考えている。
臨床研究については、今後も患者登録、追跡を継続する予定である。

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公開日: 2021-12-27  

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