研究課題
臨床研究前年度までに本邦のPerry症候群(Perry病)2家系の新規遺伝子変異を明らかにした。1症例では、過去の我々の報告と同様にL-dopaやドパミンアゴニスト投与後に衝動制御障害がみられることを報告した。また、本邦のPerry症候群(Perry病)10症例でMIBG心筋シンチグラフィーが施行され、8症例 (80%) で取り込みが低下し、便秘や排尿障害、起立性低血などを合併していることを明らかにした。Perry症候群(Perry病)では高頻度にMIBG心筋シンチグラフィー取り込み低下を認め、同疾患の自律神経障害の生物学的マーカーになりうることを示した。今年度は、本邦の長期経過症例について解析を行った。基礎研究我々はCre/loxPシステムを用いてG71A変異ノックインマウスを作成し、行動解析と病理学的解析を行った。野生型とG71A変異マウスを用い、3カ月齢から約3ヶ月毎に解析を行った。G71A変異ノックインマウスはPerry症候群(Perry病)の特徴であるうつ症状及びパーキンソニズムの表現型を示した。また、G71A変異ノックインマウスにおいて有意に黒質・線条体のtyrosine hydroxylase染色性低下を認め、Perry症候群(Perry病)の脳病理の一部である黒質線条体神経変性の再現に成功した。さらに我々は培養細胞およびiPS細胞由来の神経細胞を用い、DCTN1とTDP-43の相互作用について生化学的/細胞生物学的解析を行った。免疫沈降及びGST-pulldownにより、DCTN1がTDP-43に結合すること、DCTN1のN末端領域、dynactinドメイン、及びC末端領域がTDP-43と選択的に相互作用することを明らかにした。また、これらの相互作用の制御異常がTDP-43の核外への分布と凝集化を引き起こす可能性を示した。
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Neurosci Lett
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