本研究では双極性障害とうつ病の違いを検討することを目的とし、頭部MRIを用いて脳皮質のミエリンや神経突起について評価した。 24名の双極性障害患者と16名のうつ病患者の頭部MRI画像からミエリンマップと神経突起指標マップを作成し統計解析を行った。 罹病期間との交互作用を検討すると、うつ病と比べて双極性障害に傾きが正で、両側の前帯状回、下前頭皮質、右の上頭頂皮質などに有意な領域を認めた。双極性障害では、左半球有意で島皮質や後部帯状回、下頭頂皮質など広範に有意な罹病期間との正の相関を認めた。双極性障害では罹病期間とともに大脳皮質のミエリン構造の変化が進行している可能性が示された。
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