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2018 年度 実施状況報告書

Choreinの細胞死調整機構への関わりに関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 18K15490
研究機関鹿児島大学

研究代表者

佐々木 なつき  鹿児島大学, 医歯学域医学系, 助教 (30755252)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2020-03-31
キーワードchorein / 細胞死 / オートファジー / 有棘赤血球舞踏病
研究実績の概要

申請者らは有棘赤血球舞踏病(ChAc)の病因遺伝子産物であるchoreinの機能解析結果を報告してきており、今回申請者は、酸化ストレスやアポトーシス誘導刺激における分子機構とchoreinの関わりについて解明し、ChAcの分子病態の一端を明らかにし、さらには精神疾患の病態解明への足がかりとしたいと考えている。Chorein 強制発現細胞における予備的研究では、choreinは酸化ストレスによる細胞死を抑制し、一方、アポトーシス誘導に働く刺激を行うと、細胞死を促進した。これらの結果からchoreinは様々な細胞死の調整に関連することが示唆され、choreinが機能喪失するChAcの分子病態と してこの調整機構の破綻が関与している可能性がある。平成30年度は、chorein強制発現細胞だけでなく、RNAiを介したchoreinノックダウン細胞において、酸化ストレスやアポトーシス誘導の刺激によって起こる細胞生存率の変化を検討した。Chorein強制発現細胞では対照と比較して、細胞生存率が変化しており、staurosporine刺激ではchoreinは細胞死を促進する作用に働き、過酸化水素刺激では細胞死を抑制する作用を持っていると考えられる結果を得た。choreinノックダウン細胞においては、過酸化水素刺激では同様の結果が得られた。平成31年度も継続してchorein強発現とノックダウンによって生じる酸化ストレスなどの刺激に対する生存率の変化を検討し、その際にchoreinと相互作用するタンパク質を免疫沈降法などで同定し、それらchorein相互作用タンパク質の刺激に応じての発現変化や局在変化の挙動をchorein強発現細胞とノックダウン細胞それぞれで捉え、差異を見出していくことを目指していきたい。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

Choreinを強制発現させたHEK293安定発現細胞株を用いてのstaurosporine刺激および過酸化水素刺激後の細胞生存率の変化に加え、RNAiを介したchoreinノックダウン細胞におけるこれら刺激による変化を観察している。強発現細胞においては対照となるmock細胞と比べてそれぞれの刺激に応じて明らかな細胞生存率に有意な差異があることを確認したが、単純に通常の細胞株をノックダウンしたものには明らかな変化が乏しく、強発現細胞株におけるクローン細胞の特性に依存する可能性が示唆された。今後はクローン細胞株におけるchoreinノックアウト細胞の変化を解析する予定である。現時点でchorienと相互作用する新たなタンパク質の同定にいたっておらずやや計画に比して遅れを生じている。

今後の研究の推進方策

強発現細胞クローン株を用いて、ノックアウト実験を行い、解析を調整する。
相互作用タンパク質の免疫沈降法に磁気ビーズや免疫沈降の際の可溶化剤の検討を行い、最適化された条件で研究を遂行する。

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公開日: 2019-12-27  

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