研究実績の概要 |
Chorein 強制発現細胞における予備的研究において、choreinは様々な細胞死の調整に関連することが示唆されており、choreinが機能喪失するChAcの分子病態としてこの調整機構の破綻が関与している可能性がある。Chorein強制発現細胞とRNAiによってchoreinをノックダウンしたHEK細胞において、stautosporine刺激と過酸化水素刺激によって起こる細胞生存率の変化を検討した。Chorein強制発現細胞では対照と比較して、細胞生存率が変化しており、staurosporine刺激ではchoreinは細胞死を促進する作用に働き、過酸化水素刺激では細胞死を抑制する作用を持っていると考えられる結果となった。一方、choreinノックダウン細胞では過酸化水素刺激では対照と比較して細胞生存率が低下し、chorein強制発現細胞と同様の結果が得られたが、staurosporine刺激では有意な結果は得られなかった。Choreinは酸化ストレスによる細胞死を抑制する役割を担う分子の可能性があるとの結果を得た。また、現在までにchoreinと相互作用するタンパク質としてtubulin, HDAC6, actin, adducinなどを同定してきたが、それぞれの刺激によって、これらchorein相互作用タンパク質の局在や共局在がどのように変化するか解析予定である。
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