研究課題/領域番号 |
18K15494
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研究機関 | 杏林大学 |
研究代表者 |
高江洲 義和 杏林大学, 医学部, 講師 (90421015)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 双極性障害 / 概日リズム障害 / 認知機能 / 社会機能 |
研究実績の概要 |
双極性障害は病相の再燃・再発を繰り返す疾患であり、認知機能や社会機能の低下をきたすことが指摘されている。これまで双極性障害の長期的な認知機能の低下や社会機能の低下に対する詳細な検討や、その改善のための方策は十分な検討がなされていない。双極性障害の病態に概日リズム障害が密接に関連しており、概日リズム睡眠障害の合併が、双極性障害の再燃・再発の予測因子となることが示されている。本研究では、双極性障害における概日リズム障害に着目し、認知機能障害や社会機能障害に与える複合的な相互関係を検討する。 精神科外来通院中の双極性障害患者を対象として、質問紙と面接及び概日リズム障害の生物学的指標の測定(アクチグラフィー及びメラトニン測定)、認知機能、社会機能、気分症状を評価し横断調査・縦断調査を実施中である。 51例の双極性障害患者が本研究に参加しており、横断面調査の症例登録が終了している。現在はこの結果を解析中である。概日リズム、認知機能、社会機能、気分症状の相互関係について解析を実施中であり、予備的な解析結果として、アクチグラフで得られた睡眠・覚醒リズムと認知機能、社会機能がそれぞれ相関を認めている。今後は共分散構造分析により複合的な相互作用について検討を予定している。また、縦断面の臨床経過と横断面の上記指標との関連も検討しており次年度の縦断調査終了後に結果を解析する予定である。この結果により双極性障害の臨床経過に与える要因を明らかにする。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究の選択基準に合致する症例が少なく、双極性障害患者の症例登録に予想以上に時間を要したため、解析に必要な症例数に達する時間が長くなり、現在までの進捗はやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
解析に必要な症例数は十分に集まったため、次年度は問題なく進捗し、最終的には研究計画通りの結果が得られる予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
全体の研究進捗が遅れたため次年度使用額が生じた。次年度は研究結果解析に人件費を要し、研究結果を国内外の学会で発表するための費用も必要となる。また、研究結果を論文化して国際雑誌に投稿する際の英文校閲費用や、結果を広く世界に公表するためのオープンアクセス費用として研究費を使用する予定である。
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