高齢者うつ病の一部は変性疾患による症状の可能性がある。本研究は65歳以上の18名のうつ病患者に対して[18F]PM-PBB3を用いたPET測定を行いタウ蛋白集積を評価し、うち5名には[18F]FE-PE21を用用いたPET測定にてドパミン機能も評価した。 タウ蛋白の蓄積はうつ病初発年齢と正の相関がありタウ蛋白集積による局所神経細胞脱落がうつ病の中でも老年期に発症する病理に関与している可能性が示唆された。またタウ蛋白蓄積とドパミントランスポーター機能に負の相関が認められ、タウ蛋白の集積に由来する局所神経細胞脱落のために生じたドパミン機能の低下がうつ症状の出現や進行に関与している可能性が示唆された。
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