クロザピンは無顆粒球・顆粒球減少症を引き起こす。本研究の目的は、未だ解明されていないこの副作用の発症機序の解明である。この副作用に免疫学的機序が関与することを検証するため、クロザピン誘発性無顆粒球症(CIA)群の末梢血単核細胞を用いた、クロザピンによるリンパ球刺激試験を行なった。対照群として、クロザピンを服用しても顆粒球の減少をきたさなかった投与コントロール群を用いて、CIA群とのリンパ球増殖の差を確かめた。増殖活性を比較したところ、CIA群がトレラントコントロール群よりも増殖活性が強い傾向を認めた。この傾向をより確かなものにするため、今後さらにサンプル数を拡大した検討を行う必要がある。
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