ADHDとナルコレプシー(NA)は合併が多く、また、臨床上も類似していることがある。脳波上もADHDでは、θ波波分、θ/β比の増大が報告されているが、NAにおいても類似した所見の報告がある。そこで、健常発達成人22人、過眠症40人、ADHD合併のある過眠症15人の脳波定量解析を行ったが、ADHDに特徴的な脳波所見は見出せなかった。次に、過眠症45人(NA19人、特発性過眠症36人)と健常コントロール22人と比較した結果、NA群では、遅いα帯域の成分が増加していた。これは、NAにおける眠気や覚醒度の低下を示唆しており、ADHDとナルコレプシーを区別し得る脳波上の指標になるかもしれない。
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