本研究では、自閉スペクトラム症(ASD)における遂行機能障害の神経学的基盤を明らかにすること目的として、ASD者と定型発達者からデータを取得した。 両グループの認知機能検査の遂行成績を比較した結果、ASDグループで視空間ワーキングメモリ課題の遂行成績が有意に低下していた。また、認知的制御課題およびプランニング課題において、ASDグループで有意な課題遂行時間の遅延が認められた。また、右上前頭回の白質体積のおよび左島の拡散異方性係数が課題に対する反応の遅延と相関が認められた。これらの結果から当該領域における白質の構造的差異がASDにおける遂行機能の障害に関与していることが示唆された。
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