研究実績の概要 |
iPS細胞(人工多能性幹細胞induced pluripotent stem cells)は非常に多くの細胞に分化できる分化万能性を持つ細胞で精神医学領域においても応用されている。 University of Gothenburg,Sweden(ヨーテボリ大学、スウェーデン)鮒恵子教授らは双極性障害患者6名、健常者4名をのiPS細胞および神経に分化した細胞のRNA-seqを実施し、NLRP2遺伝子が著明に変化していることを報告している。 分与されたこれと同じiPS細胞をCellartis DEF-CS 500 Culture Systemで実験に使用するためのコンディションでかつ十分な量になるまで培養した。 次にCellartis iPS Cell to Hepatocyte Differentiation System(肝細胞分化誘導システム)を用いて肝細胞に分化させた。このシステムはiPS細胞がまず胚胎内細胞に分化し、腹側前腸、肝芽細胞を経て肝細胞へと分化することが報告されているものである。 分化したかどうかは培養上清中の肝細胞マーカー(α-fetoprotein,Albumin)をELISAにて測定し確認した。この分化させた肝細胞からRNAを抽出しRNA-seqを実施した。得られたデータからDEG解析、GO解析、IPA解析を実施し疾患に関連のあると思われる遺伝子やパスウェイをいくつか見いだした。これらの得られた遺伝子について、死後組織でも得られた知見と比較する予定である。
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