研究課題/領域番号 |
18K15513
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52030:精神神経科学関連
|
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
石塚 佳奈子 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (90801449)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2020-03-31
|
キーワード | ゲノム変異 / 神経発達症 / 遺伝環境相互作用 / 遺伝カウンセリング / 複雑性疾患 / 臨床表現型 |
研究成果の概要 |
ほとんどの精神疾患は,遺伝要因や環境要因と偶然の影響を受ける複雑性疾患である.本研究課題は遺伝要因の影響が大きい神経発達症を対象とした.脳神経系の発生から維持に関わる遺伝子群に着目し,「ありふれた疾患は頻度の低いゲノム変異の影響を受ける」という仮説に基づいて,遺伝統計学的に疾患との関連が示唆されるゲノム変異を探索した.さらに,基礎研究者の支援を受けてゲノム変異がタンパクの機能や構造にもたらす変化を詳細に解析し,ゲノム変異保有者の臨床表現型と照らし合わせてその影響と想定されるメカニズムを検討した.本研究を通じて精神疾患の生物学的な理解につながる成果が得られたと考える.
|
自由記述の分野 |
Child and adolescent psychiatry
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の学術的意義は,精神疾患の発症や臨床経過に関与する遺伝要因が一義的なものではなく,きわめて複雑であることを裏付けた点である.このことは同時に,精神疾患に対する誤解や偏見を払拭しうる点で社会的意義がある. 精神疾患の原因論は遺伝か環境の二分法に陥りやすい.また,精神疾患の家族歴に関する懸念は多くの患者家族が意識しながらも臨床場面では話題になりにくい.そこで,精神科の臨床場面における遺伝の話題の取り扱いや遺伝カウンセリングの実際について,国内外の学会・学術誌で発表と提案を行った.
|