研究課題/領域番号 |
18K15522
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52030:精神神経科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター (2019-2021) 福島県立医科大学 (2018) |
研究代表者 |
松本 純弥 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 精神保健研究所 精神疾患病態研究部, 室長 (10635535)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 心因性腰痛 / 身体表現性障害 / 転換性障害 / ドパミン / モノアミン |
研究成果の概要 |
本研究では、高齢患者群と高齢健常対照群の比較で右内側眼窩回~直回で有意な血流低下、左楔前部、海馬で有意な血流増加を認めた。全年齢患者群との比較でも同様の結果であった。患者群の内服薬剤量との相関を見ると、各種向精神薬や、オピオイドの投与量と上述の血流変化部位の脳血流は相関を認めなかった。非薬剤投与患者群とHC群の比較では血流低下部位は概ね同様であった。心因性を示す行動・心理尺度(BS-POP)との相関は認めず、人格傾向の尺度との相関も認めなかった。観察された脳血流の変化は疼痛の慢性化とその感情体験に伴う二次的な脳機能変化の可能性が考えられた。
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自由記述の分野 |
精神神経科学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
慢性疼痛患者では、両側前頭前野で低下、両側小脳後葉で増加するとの報告や両側背外側前頭前野、両側内側前頭前野、両側前部帯状回背側、右外側前頭眼窩野で低下するとの報告はあるが、精神医学的な視点に基づいた先行研究は乏しい。本研究で対象とした身体表現性障害患者の脳血流変化部位は感情的刺激の処理や感情体験に伴って賦活されることが知られている。そのため疼痛の慢性化に伴う二次的な脳機能変化を示している可能性が示唆された。今回のように集学的に精査を経たうえで専門的に診断を下した身体表現性障害患者を対象にして脳病態を解析した結果は大変貴重である。
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