ストレス関連精神疾患の神経メカニズムを調べるため、情動制御に重要である眼窩前頭皮質(OFC)から扁桃体基底外側核(BLA)に投射する回路に対し、ストレスが与える影響を調べた。マウスにおけるOFC-BLAシナプス伝達を単離し、成熟期または幼少期ストレスが与える影響を検討した結果、ストレス負荷によりAMPA/NMDA電流比の変化などの後シナプス特性変化が見られた。また、行動中のマウスのOFC-BLAシナプス伝達の人工的操作により、この回路はうつ様行動や向社会行動を制御することが明らかとなった。これらの結果より、ストレスはOFC-BLA回路の情報伝達を変化させ、情動変容を引き起こすことが示唆される。
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