研究課題/領域番号 |
18K15539
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
山本 貴也 東北大学, 医学系研究科, 助教 (30733159)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 放射線誘発性肺障害 / 放射線肺炎 / 体幹部定位放射線治療 |
研究実績の概要 |
本研究は肺癌に対する体幹部定位放射線治療(SRT)後の放射線誘発性肺障害(RILT)について、SRT施行前および施行後に4-D CT(呼吸による肺の動きを考慮したCT)による肺換気画像およびDual energy CTによる肺灌流画像を含めた検査を行い、詳細なRILTの評価、予測、経時変化を検討するものである。経時的変化を含めた検討を行うためSRT施行前、SRT施行1か月後、4か月後、12か月後に検査を行い、解析を行うものである。いずれの時点でも4-D CT、肺換気画像、採血、スパイロメトリー、Body mass indexや除脂肪indexを測定している。SRT後のRILTによる肺換気動態や血流動態の変化、呼吸機能の変化、さらにはフレイルの状態などを定期検査している。RILTの詳細な予測モデルおよび進展モデルの確立を目指して行っており、また自覚症状がRILTのみによるのか、その他の要因にも影響されるかの検討を行えるよう検査、問診を行っている。現在5名の患者に登録して頂き、全例で所定の検査を施行しつつ経過観察中である。現在検討・解析に向けての症例集積中である。SRTによって肺癌の局所制御率が9割を超えるようになっており、いかに安全にSRTが行えるかが重要となってきている。その中でも最も頻度が高く、致死的となりえるRILTの病態解明は非常に意義深いものである。このまま被験者を募り、症例数を増やしながら、研究継続の予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
科研費採択決定後、「定位放射線治療後の放射線誘発性肺障害の発症、進展を評価する前向き研究」として東北大学病院臨床研究倫理委員会に新規申請を行った。2018年4月19日には申請を行い、修正等の対応に時間を要したが、2018年8月22日に倫理委員会の承認を得た。 平行して、研究を始めるに辺り必要物品である身長計付体組織計(タニタ社製DC-217A)を、また被験者への謝礼としてのQUOカードを直接経費にて購入した。 倫理委員会の承認を待って研究を開始、初年度は5例から口頭・および文書にて同意を得、研究を実施中である。全例で4-DCT、肺灌流画像の撮像を行った上で定位放射線治療を施行し、経過観察でも4-DCT、肺灌流画像を実施している。7-8例/年の登録を予定しているが、倫理委員会の承認後より開始したため実質下半期にて5例登録されており、おおむね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き本研究への参加を募り、研究を継続する。
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