研究課題/領域番号 |
18K15542
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
八坂 耕一郎 東京大学, 医科学研究所, 助教 (40779659)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 深層学習 / 骨密度 / 腰椎 / DXA |
研究実績の概要 |
腹部単純CTから、腰椎のdual-energy X-ray absorptiometry (DXA)骨密度値を推定する深層学習モデルを作成し、査読付き国際学術雑誌European Radiologyで論文発表した。CT画像から腰椎部分を切り出した画像を入力データ、対応する椎体のDXA骨密度値を教師データとして、教師あり深層学習を行った。学習済のモデルを外部施設のデータに適用して性能を検証すると(external validation)、深層学習モデルによる骨密度値予測値とDXA骨密度値との相関係数は0.840(p<0.001)と高い相関が得られ、骨粗鬆症の診断をarea under the receiver operating characteristic curve (AUC) = 0.970で診断することができた。本研究は、DXAを持たない施設でもCT画像からDXA骨密度値を予測することや、CT画像さえあれば過去のDXA骨密度値を推定することを可能とする点で臨床的有用性があると考えられる。 また、第78回日本医学放射線学会総会(2019年4月13日、神奈川)、日本磁気共鳴医学会大会(2019年9月20日、熊本)、日本脳神経外科学会学術総会(2019年10月18日)、日本肝臓学会総会(2019年5月30日)といった、多分野の学術大会において、深層学習の画像診断への応用に関する、招待講演・シンポジウム講演を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定通りに、腹骨盤部領域の画像診断に関する深層学習モデルを作成し、査読付き国際学術雑誌において論文発表することができたため。
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今後の研究の推進方策 |
深層学習の手法を、腹骨盤部領域放射線画像診断のその他の課題へと応用するため、課題の検討およびデータ収集を継続して行っていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
学会参加に係る旅費を予定より少なく抑えることができたため。 翌年度分として請求した助成金と合わせて、腹骨盤部領域画像診断に関する深層学習モデルをより多く開発していくための文献調達・学会発表・論文発表の必要経費として用いる。
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