CT検査では検査目的以外の予期せぬ疾患が偶発的に検出されることがある。悪性腫瘍は患者の予後に直結しうる疾患であり、偶発的に存在する悪性腫瘍を確実に検出できるようになることの臨床的意義は大きい。今回、造影CTにおいて食道癌を検出する深層学習アルゴリズムを開発した。さらに、深層学習アルゴリズムが様々な経験年数の複数の放射線科医師の検出成績に及ぼす影響について評価した。結果、特に経験年数の少ない放射線科医師の精度を向上させる上で大きなインパクトがあることが判明した。本研究結果を原著論文としてまとめ、British Journal of Radiology誌において報告した。 また、深層学習応用画像再構成法の腹部画像診断への応用についても検討を行った。従来の画像再構成法を用いた場合に比べて、肝細胞癌検出能や、大腿骨・股関節術後患者における骨盤部画像画質改善を得られることが分かり、それぞれAbdominal Radiology誌、Japanese Journal of Radiology誌において報告した。
|