アルギン酸ナトリウム及び反応させる2価陽イオンの調整(濃度や種類を変更)を継続し、至適陽イオンおよび濃度を検討した。 また、その結果をもとに動脈瘤モデルでの塞栓実験、注入圧測定を繰り返し行った。上記より、塩化バリウムおよび塩化カルシウムの混合液をアルギン酸ナトリウム溶液と反応させることで、塞栓物質として至適なゲル強度を得られることを確認した。また、アルギン酸ナトリウム溶液に水溶性造影剤を混合することで視認性も確保され、より安全に塞栓を行うことが可能となった。 それらの基礎実験及び、豚腎動脈での塞栓実験の結果より得られた、急性期塞栓効果と安全性について第49回IVR学会総会で報告を行なった。論文は執筆中である。また、バリウム化合物およびカルシウム化合物の混合液をアルギン酸塩溶液と反応させ作成する塞栓物質として、特許申請し、Bio Japan2020等にも参加、共同開発企業を探索中である。 慢性期動物実験に関しては、コロナウイルス感染流行の影響(実験施設が多発警戒地域に所在するため)で施行することができなかった。今後は、再度豚腎動脈の塞栓実験を行い慢性期塞栓効果の評価及び安全性評価を行う予定である。
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