研究課題/領域番号 |
18K15550
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
冨士 智世 広島大学, 医系科学研究科(医), 専門研究員 (40778510)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | ラジオ波焼灼療法 |
研究実績の概要 |
CT透視下のラジオ波焼灼療法(Radiofrequency ablation: RFA)は、肝細胞癌をはじめとする腫瘍性 病変を熱で焼灼する治療法で、腫瘍の局所療法として確立さ れた治療の1つである。しかしながら、 焼灼終了のポイントは術者の経験によって決められることが多く、病変が完全に焼灼されていないことも少なくない。 今回申請者はこの臨床的な問題点を改善すべく、腫瘍の焼灼時に焼灼部周囲の組織の温度上昇に伴いCT値が変化することに着目した。本研究の目的は、CTを使用 して、RFA実施 中の肝腫瘍および周囲組織の三次元的温度分布を計測し画像化する新たな手法を開発し臨床応用を行うことである。計画当初、1年目の平成30年 度は、臨床応用への基礎的検討として、ウサギの肝臓でRFAによる焼灼を行いCT値の変化と温度の関係を検討し、温度計測の精度の検証、肝組織の凝固壊死を可 能とする CT値を探索する予定であったが、ウサギ肝が非常に小さくRFAに適していない事などの問題点が生じ、ブタによる実験に切り替えた。続く2年目は、ブ タによる実験を実際に行うが、内容としては実際にブタ肝のRFAを実施し、全身麻酔下にCTを用いながら肝臓にRFAの針を挿入し焼灼を始め、針先から3mmごとに CT値を測定し、実際の肝臓でも温度とCT値 が基礎的実験と同様に負の線形相関を示すことを検証することとしている。その後に、実際の臨床で肝腫瘍にてRFAを 実施する患者に対して本手法の臨床的有用性を検証する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
基礎実験は終了しているが、昨年度の豚コレラの影響、昨今のCOVID-19の影響で研究が実施できない状況である。
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今後の研究の推進方策 |
COVID-19の状況次第ではあるが、落ち着き次第研究を再開する。基礎実験は終了しているため、動物実験を行うために早急に施設の確保と実験動物の確保を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
昨年度の豚コレラの影響、昨今のCOVID-19の影響により動物実験を行う施設を使用することができない状況であり、次年度使用額が生じた。令和2年度の予算と合わせ、動物実験に予算(施設の使用、実験動物、ラジオ波に使用する機材の費用)を使用する計画である。
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