研究実績の概要 |
本研究は、超高精細CTの高い空間分解能を維持できる上限心拍数をまず解明し、その結果を利用して超高精細CTを用いた梗塞心筋の微小血管側副路の描出を目指す. 昨年度までに、超高精細CTの高い空間分解能を維持できる上限心拍数は、60 bpmであることを明らかにし、論文にて発表した(Kojima T, et al. Jpn J Radiol. 2022)。 本年度は、微小血管側副路の描出と微細構造の描出という 点で同義である3mm径未満の冠動脈ステント内腔開存性の評価を行い、心拍数60 bpm以下の患者であれば、従来CTよりも超高精細CTは、内腔径が小さい冠動脈ステント内腔の評価に適していることが明らかとなった。この内容は、ARIA2022と第6回超高精細CT研究会にて発表し、周知した。さらに、ステントだけでなく、心臓カテーテルによる治療に有用となる冠動脈石灰化に関する詳細な情報を超高精細CTで得ることができると我々の研究班は考え、現在取り組んでいる。しかしながら、梗塞心筋の微小血管側副路の描出に関しては、現状の超高精細CTでは分解能・画像ノイズの問題で困難であった。しかし、更なる低ノイズ・高分解能化が可能な、今後のCTの主流となるであろうPhoton counting CTでは梗塞心筋の微小血管側副路の描出が可能となることが期待される。
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