研究実績の概要 |
CT画像をガイドとして穿刺を行えば、体外から見えない病巣を体外から正確に穿刺することが理論的には可能であるが、現時点では穿刺できる範囲に限界がある。また手技の難易度の高さから習熟には時間を要する技術である。本研究では、空間位置を認識する機能を持った3Dポジションセンサを穿刺針に装着可能な形 で作成し、CTガイド下穿刺における最適ルートをナビゲーションする穿刺補助システムを開発することを目的としている。その実現に向けて1穿刺位置のセンサデバイス,2穿刺経路の選択プログラム,3穿刺位置情報・穿刺経路を表示する穿刺情報の可視プログラムの3つのパートに分けて研究を進めてきた。1については 赤外線センサシステムの精度を確認し、位置誤差が5mm以内に収まることを実験系にて確認することができた。また赤外線センサシステムが新しくなったため、再度実験系にて位置誤差や赤外線認識範囲の確認を行った。 2については2次元上での一定の穿刺条件における 穿刺経路の提示・選択プログラムの改良を行い、CT画像上に穿刺経路候補の提示とその3D表示を自動で行えるプログラムを開発することに成功した。 3についてはCT画像や穿刺位置および穿刺経路 を表示する表示系の開発・操作性のさらなる向上を行ない、モニター上ではなより没頭した形で穿刺手技が行えるように、 Hololens2を用いたMR(Mixed Reality)デバイスへ表示系を移すことができた。さらにHololensよりも取り回しの良いNreal Air城への表示系を移せることを確認した。これら成果は情報処理学会第199回マルチメディア通信と分散処理研究会(DPS)研 究発表会にて発表予定である。
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