研究実績の概要 |
本研究では放射線照射における体内での吸収線量計算およびDNA損傷シミュレーションに細胞間ネットワークシミュレーションを統合するシステムを開発した。 まず、実験データを取得した際のエネルギーに対して、当該シミュレーションシステムのパラメータを最適化した。このパラメータで行ったシミュレーションは実験データとよく一致した。 次に、その他のX線エネルギーに拡張すべく、様々なX線エネルギーに対してシミュレーションパラメータを求めた。 X線エネルギーを変化させてX線照射エリアと非照射エリアを区別した細胞照射実験を行い、照射後2, 6, 10, 15, 30, 60, 180, 360分のタイミングでγ-H2AX assayによりDNA二本鎖切断を観測する予定であったが、実験環境の変化により十分なデータが取得できなかった。 そのため、放射線治療計画システムへの統合を見据えて細胞のDNA損傷分布を可視化するプログラムの開発を進めた。
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