研究課題/領域番号 |
18K15565
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
椎葉 拓郎 帝京大学, 福岡キャンパス, 講師 (30759501)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | パーキンソン病 / ドパミントランスポーター / SPECT / 機械学習 / 画像特徴量 |
研究実績の概要 |
本研究はドパミントランスポータ(dopamine transporter: DAT)SPECT(以下、DATSPECT)の形状に着眼した機械学習によるパーキンソン病 (Parkinson’s disease: PD)群と非典型的パーキンソン症候群(APS)の自動分類システムを開発することを目指している。 2019年度は、DATSPECTで得られた半定量的指標と形状特徴を機械学習(ML)の特徴量として組み合わせた場合のパーキンソン病(PD)と正常対照(NC)の分類性能を評価することを目的として、以下の方法により研究を実施した。 PPMIデータベースからPDと正常対照(NC)の両方の合計100例の線条体部分を含む5スライスの加算画像を生成し、左右の線条体に関心領域を設定した。比較特徴量として線条体結合比(SBRputamen、SBRcaudate)を用いた。形状特徴量のROC解析によるPD群とNC群の分類性能を比較した。さらに,形状特徴量とSBRを単独で使用した場合と組み合わせて使用した場合のMLの分類性能を比較した. その結果,形状特徴量(短軸長を除く)とSBRは、NC群とPD群の間で有意な差を示した(p < 0.05)。MLを用いて分類した場合のAUCは、円形度とSBR(0.995)、円形度単独(0.990)、SBR(0.973)であった。SBRと円形度の組み合わせでは、SBR単独よりも有意に分類性能が向上した(p = 0.018)。本研究から、DAT-SPECT画像から得られた円形度は、NCとPDを区別するのに役立つことがわかった。さらに、MLの分類性能は、SBRと円形度を併用することで有意に向上した。 上記の研究成果を投稿し,掲載された(PLoS One. 2020 Jan 24;15(1):e0228289. )。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
DATSPECT画像における線条体の画像特徴量を用いることにより、パーキンソン病の診断能が向上することを示すことができたこと、さらに成果を論文として発表できたことから、研究計画の通り 概ね順調に進捗していると判断する。
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今後の研究の推進方策 |
本研究成果がパーキンソン病とAPSとの分類に寄与できるか評価が必要なため、APSの症例数の確保を進める。現手法が有効でない場合には、機械学習の手法にディープラーニングを用いた分類法の開発についても検討を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初参加予定していた国際学会に台風の影響により参加できなくなったため、予算が執行しきれなかった。次年度は研究に必要な備品の購入に充てる予定である。
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