研究課題/領域番号 |
18K15567
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
武川 英樹 関西医科大学, 医学部, 助教 (60526870)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 適応放射線治療 / 人工知能 / 機械学習 / 最適化 / 頭頸部癌 / 医学物理学 |
研究実績の概要 |
頭頚部癌に対する適応放射線治療において治療計画の適応回数及びタイミングの最適化を行い、効果的・効率的な治療を実現させる。本研究においては、その最適化基盤として照射される線量分布に影響を及ぼす治療期間中の患者体形変化に対する予測モデルを人工知能により構築し、予測精度の検証を行う。令和2年(2020年)度までに研究実施計画に基づき、下記1-3を実施している。 1. データ収集:データ収集用の研究DBの構築ならびに、臨床用の既存DBとの接続を行えるようにし、効率的なデータ収集が可能となっている。本研究における収集の対象患者は、放射線治療時の体形変化が確認しづらい術後照射例を除く根治的放射線治療を行った咽頭癌、喉頭癌、原発不明頭頚部癌の新鮮症例としており、平成30年度に放射線治療を開始した症例から収集を開始している。 2. 特徴量抽出:本研究で特徴量として用いる体形変化量は、画像誘導放射線治療として撮影した初回照射時のCBCT画像を基準とし、以降の照射におけるCBCT画像間との変形量と定義した。これら画像間の解剖学的対応点を示す変位ベクトル場を非剛体レジストレーション(DIR)により計算するソフトウェアを開発した。DIRはCPUを用いた計算では長い計算時間が必要となるため、GPUを用いた計算を可能にした。これにより、1症例分の計算を約45%短縮させた。 3. 機械学習・予測モデル構築:開発したDIRに基づく手法を収集症例に適用し、体形変形量の特徴量の計算を行った。この特徴量や患者特性データをモデル構築に使用する入力パラメータとし、学習させる結果を体形変化量の推移として機械学習を行い、AIによる予測モデルの構築を進めている。機械学習に使用するアルゴリズムの選定を行うために、決定木やサポートベクター回帰、ニューラルネットワークなどを用いた予測モデルの構築を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
収集症例は当初計画より少し遅れたが、研究計画で予定していた120例の症例収集が完了した。 体形変化量の計算を行うCBCT間のDIRソフトウェアの開発は完了し、学内のGPU計算用サーバを用いた高速計算も可能にしている。収集した症例に対して適用を行い、特徴量計算を完了した。
しかし、COVID-19の影響による院内対応が増加し当初予定のエフォートを割くことができず、機械学習に使用するアルゴリズムの選定ならびにモデル構築が完了していない。そのため、当初計画にある構築モデルの予測精度検証を行うことができなかった。 この点に関して計画から少し遅れが生じている。
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今後の研究の推進方策 |
早期に予測モデルの構築を完了させ、機械学習に使用するアルゴリズムの決定を行う。 予測精度検証用患者データを用い、構築したモデルによる体形変化の予測精度の検証を実施する。 予測モデルにより計算される体形変化の推移と実際の患者により得られた変化の推移を比較し、予測精度の定量評価及び放射線腫瘍医による臨床評価を行う。
研究成果報告のための、学会発表及び論文執筆を行っていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
国内外の学会出張に関わる費用の支出を予定していたが、世界的な新型コロナウイルスの影響により開催中止などにより支出が発生しなかった。 新型コロナウイルスの影響が治まり、学会が開催されるようになり次第、順次使用していく。
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