研究課題/領域番号 |
18K15568
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研究機関 | 兵庫医科大学 |
研究代表者 |
山田 清文 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (40402200)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 内頚動脈狭窄症 / プラーク / 新生血管 / 光干渉断層法 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は高解像度3テスラMagnetic resonance imaging (MRI)と光干渉断層画像装置を用いて喫煙の頚動脈プラーク性状及びプラーク内新生血管増生への影響を明らかにすることである。頚動脈ステント留置術の施行例を対象とした。高解像度3テスラMRIを用いてMRIプラークイメージングを行った。CAS前に光干渉断層画像装置によるプラーク内新生血管評価を行った。MRIを用いたプラーク性状評価に関しては、これまでにワシントン大学放射線科と共同でMRIを用いた3次元MRIプラークイメージング法を開発し臨床応用に成功した。光干渉断層画像装置を用いたプラーク性状評価に関しては、プラーク性状の不安定化には新生血管の増生とその破綻が関与しているとの報告がある。我々はこれまでに近赤外線を用いた光干渉断層画像による頚動脈プラーク内の新生血管の増生の定量化について報告した。 さらに臨床データとして、喫煙状況、患者の年齢、性別、基礎疾患、既往、各種採血データ、内服内容、MRI・OFDIによるプラークイメージングによるプラーク構成成分の定量評価、新規脳虚血イベントの有無、狭窄度進行の有無等を収集し、データベース化を行った。 経過観察中に頚動脈エコー上収縮期最大血流速度が30cm/s以上上昇した症例を狭窄進行例と定義し、狭窄進行例と非進行例についてOFDIにおける新生血管イメージング結果との関連性を検討した。プラーク内新生血管数は狭窄進行群が非狭窄進行群と比較し有意に多かった。多変量解析結果では、頚動脈プラーク内新生血管の数が狭窄度進行の独立予測因子であった。 以上の結果より頚動脈プラーク内新生血管は狭窄進行を予測する因子となりうることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
頸動脈ステント留置術におけるMRI,光干渉断層法を用いたプラークイメージングは予定通り症例数の蓄積が得られている。 光干渉断層法における新生血管計測に関しても安定的に施行可能であった。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は狭窄進行病変にフォーカスをおいてプラーク内新生血管と狭窄進行例との関連性について検討した。次年度は今年度に準備ができたMRプラークイメージングによる定量評価結果とプラーク内新生血管との関連性について検討を行っていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じているが、少額であり、ほぼ予定通りであったと考えている。次年度も予定通りにMRI及び光干渉断層法を用いたプラーク性状評価に必要な消耗品に使用する。
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