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2020 年度 実施状況報告書

頭頸部癌の個別化治療に向けたテクスチャ解析画像診断法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 18K15573
研究機関国立研究開発法人国立がん研究センター

研究代表者

久野 博文  国立研究開発法人国立がん研究センター, 東病院, 医長 (50544475)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワードテクスチャ解析 / Radiomics / 頭頸部癌 / 画像診断 / dual energy CT
研究実績の概要

頭頸部癌に対する集学的治療法は多様化し、個別化治療に向けた治療法の開発が進んでいる。画像を用いた非侵襲的な治療効果予測方法の確立は、適切な治療方針決定と過度な治療の抑制に寄与すると考えられる。本研究は、頭頸部癌のCT/MRI画像データを用いてテクスチャ/Radiomics解析を行い、治療効果予測に有効な精度の高い特徴を探索し、診断法の確立に向けたモデル構築を目指している。組織学的に頭頸部癌と確認され、治療開始前1ヶ月以内に同一の定められたプロトコールで造影CT検査もしくはMRI検査を受けている患者群の約3500症例の治療前CT/MRI画像データベースから、臨床的に有効な精度の高いテクスチャ特徴を探索するために複数の症例グループに対する探索的検討を平行して行った。1) 局所進行性舌癌の手術症例の術前CT/MRI画像を用いてテクスチャ/Radiomics解析を行い、Lasso(正則化項)を用いて有効特徴を抽出、機械学習にて評価を行い、術後再発を含めた予後を予測する良好なモデル構築を検討した。2) 頭頸部癌の術前CT画像によるリンパ節転移の判定に対してテクスチャ/Radiomics解析し、特にHIV感染陽性によるFDG-PET偽陽性との鑑別に有効な特徴量が得られた。本検討の成果は国際誌に報告した。3) Dual-energy CTのデータを用いて甲状腺腫瘍の良悪性鑑別に有効なテクスチャ/Radiomics特徴の探索を行い、従来行われてきたdual-energy imagingによるヨード量測定などの定量的測定法と比較を行い,国際誌に報告した。今後は、得られた結果に基づいて、種々の頭頸部癌に対して解析対象を行う症例数を増やし、精度の高いモデルを構築し、日常臨床に応用していく上で解決すべき課題の整理に取り組んでいく。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

今年度までに得られた結果に基づいて、種々の頭頸部癌に対して解析対象を行う症例数を増やし、より精度の高いモデル構築を試みているが、診断機器の相違がどのように解析データに影響するのかを明確にする必要性が生じたことにより、当初計画より進展がやや遅延していると判断する。

今後の研究の推進方策

引き続き、診断機器の相違がどのようにテクスチャ・Radiomics解析データに影響するのかを明確にする検討を続けながら、種々の頭頸部癌に対して解析対象を行う症例数を増やし、精度の高いモデル構築を試みていく。

次年度使用額が生じた理由

より精度の高いモデル構築を試みているが、診断機器の相違がどのように解析データに影響するのかを明確にするための追加解析が必要となったため、1年間の研究期間延長を申請し許可された。次年度使用額は本研究課題の成果を学会論文として発表するために使用する予定である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Imaging of Malignant Minor Salivary Gland Tumors of the Head and Neck2021

    • 著者名/発表者名
      Hiyama Takashi、Kuno Hirofumi、Sekiya Kotaro、Oda Shioto、Kobayashi Tatsushi
    • 雑誌名

      RadioGraphics

      巻: 41 ページ: 175~191

    • DOI

      10.1148/rg.2021200062

    • 査読あり
  • [学会発表] 下咽頭の解剖・下咽頭癌の画像診断2020

    • 著者名/発表者名
      久野博文
    • 学会等名
      第56回日本医学放射線学会秋季臨床大会
    • 招待講演
  • [学会発表] 頭頸部腫瘍:臨床医に“伝わる”報告書を目指して2020

    • 著者名/発表者名
      久野博文
    • 学会等名
      第61回Radiology Update学術講演会
    • 招待講演
  • [図書] 頭頸部画像診断の勘ドコロNEO2020

    • 著者名/発表者名
      浮洲 龍太郎・編 久野博文:章分担(14. 下咽頭・喉頭)
    • 総ページ数
      420
    • 出版者
      メジカルビュー社
    • ISBN
      978-4-7583-1614-9

URL: 

公開日: 2021-12-27  

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