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2020 年度 実施状況報告書

MRI新撮像法によるてんかん発作焦点診断能の向上と画像が示す病理学的変化の検討

研究課題

研究課題/領域番号 18K15574
研究機関大阪市立大学

研究代表者

森本 笑子  大阪市立大学, 大学院医学研究科, 病院講師 (90815391)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワードてんかん / MRI / FDG-PET / てんかん原性領域 / 非発作時てんかん性異常活動
研究実績の概要

薬剤による発作コントロール不良のてんかん症例においては手術的治療が選択されるが、種々の検査を用いても切除すべき脳内のてんかん焦点部位の同定は難しく、MRI画像によるてんかんの発作焦点部位の検出能向上が望まれている。
本研究ではQSM、ミエリンマップ法、UTE法など近年開発された新しいMRI撮影法を用いて発作焦点検出能の向上を目指し、術前MRI画像断面と同じ病理標本断面の作成を行うことで、MRI画像の信号変化と病理学的変化との関連性を詳細に検討することを目的としており、現在も症例集積中である。
その中で、近年てんかん原性領域同定に有用性が報告されたMRIとFDG-PETの融合画像において小脳虫部の代謝の評価を行うことで、てんかんの発作焦点部位の検出性を向上できることが明らかとなってきた。発作焦点部位はFDG-PETで代謝低下を示すとされるが、てんかん原性領域のてんかん性異常過活動が強ければ逆に代謝は亢進し、発作焦点部位の誤診につながることがある。発作焦点部位のてんかん性異常過活動があるときにはFDG-PET/MRI融合画像で同定される小脳虫部の代謝が高い傾向にあることがわかった。これは世界で初めての知見である。撮像時にてんかん性異常活動があるかどうかの判断には脳波が利用されているが、脳の深部で起きているてんかん性異常活動においてはその感度が低下することが知られており、画像により直接撮像時の脳の異常活動の有無を評価することはてんかん発作焦点部位の検出性向上に大きく寄与すると考えられる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究者の施設の移動とコロナ感染拡大の影響をうけて困難があったが概ね順調に推移している。

今後の研究の推進方策

Epilepsia誌にVermal hypermetabolism on FDG-PET in pediatric epilepsy:implications for hyperactivity in the epileptogenic zone という研究題で投稿を行ったが残念ながら非採投稿した英文雑誌の審査員からのアドバイスをもとに論文を練り直して再度英文雑誌に投稿予定である。

次年度使用額が生じた理由

英文雑誌への再投稿が今後予定されており、その校正や投稿に必要な金額を次年度使用額として確保しているため

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Focal cortical dysplasia imaging discrepancies between MRI and FDG-PET: Unique association with temporal lobe location2020

    • 著者名/発表者名
      Yokota Hajime、Uetani Hiroyuki、Tatekawa Hiroyuki、Hagiwara Akifumi、Morimoto Emiko、Linetsky Michael、Yoo Bryan、Ellingson Benjamin M.、Salamon Noriko
    • 雑誌名

      Seizure

      巻: 81 ページ: 180~185

    • DOI

      10.1016/j.seizure.2020.08.017

  • [学会発表] 骨肥厚を伴い髄膜腫との鑑別に苦慮したolfactory neuroblastomaの1例2021

    • 著者名/発表者名
      森本笑子、下野太郎、三木幸雄
    • 学会等名
      第50回神経放射線学会
  • [学会発表] 難治てんかんの画像診断 -放射線科医からみたてんかん画像-2021

    • 著者名/発表者名
      森本笑子
    • 学会等名
      てんかんカンファレンス Web Seminar
    • 招待講演

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公開日: 2021-12-27  

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