本研究では関節炎を高頻度に自然発生する系統の関節リウマチモデルマウス(McH-lpr/lpr-RA1)の放射線照射による有害事象について定量的検討を行い、その修飾因子として抗マウスIL-6受容体抗体(MR16-1)が与える影響の検討を行った。MR16-1は同マウスの関節炎発症の抑制効果について報告がある。片肺照射後、実験群にMR16-1、対照群には同量のリン酸緩衝液を7週間腹腔内投与した。照射後のマウス肺組織標本では両群で病理組織学的に放射線肺障害の所見を指摘できなかったため、薬剤の影響について有意義な検討を行えなかった。その理由として、標本採取のタイミングや検査方法の問題が考えられた。
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