研究課題
本研究の目的は、動体追跡放射線治療システムSyncTraX FX4(STX)を用いて画像誘導放射線治療の被ばく線量予測システムを開発し、患者被ばく線量を合理的に低減することである。2018年度は、頭部ファントムを用いて、放射線治療装置TrueBeamの放射線照射野中心とSTX画像中心の位置精度が0.5 mm以内であることを示し、位置合わせ1回あたりの被ばく線量は空気カーマにて1 mGy未満であることを確認した。これらの成果は、米国医学物理学会誌(J Appl Clin Med Phys, 2018)に掲載された。次に、1 mm以内の位置精度を保持する撮像条件において、被ばく線量が少ない撮像条件範囲を決定し(0.033~0.50 mGy)、第46回日本放射線技術学会(JSRT)秋季学術大会にて報告した。また、肺癌に対する動体追跡放射線治療における透視中の被ばく線量を評価し、ゲーティングウィンドウを4 mmに設定することで入射皮膚線量を100 mGy未満に低減できる可能性を日本放射線腫瘍学会第31回学術大会にて報告した。2019年度は、6名の観察者によるSTXの画質評価を施行した。観察者間の信頼度が最も高い撮像条件(60 kV/32 mAs)を決定し、第75回JSRT総会学術大会にて報告した。また、左記の撮像条件を臨床応用し、臨床的妥当性を評価した。頭部腫瘍に対して放射線治療が施行された症例群41症例506照合データを対象とし、撮像条件最適化前後の2群間で照合位置精度の比較を行い、同等の位置精度であることを日本放射線腫瘍学会第32回学術大会にて報告した。最終年度の2020年度は、これまでの成果に基づき、椎体骨転移緩和照射におけるSTXの位置照合精度を評価し、その臨床実現性を日本放射線腫瘍学会第33回学術大会にて報告した。
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