本研究の目的は,有限要素法シミュレーションを用いた流体力学的情報を,従来のCT検査に付加することである.3Dプリンターを使用し自作した血管モデルによるファントム実験および健常ボランティア実験において,4D-Flow MRI解析を行い,本シミュレーションの解析値が高い精度を有していることが確認した. 過去に施行された腹部大動脈瘤ステントグラフト内挿術前のCTアンギオグラフィ画像(紡錘状瘤および嚢状瘤,最大短径10.3mmから63.6mm)を用いて有限要素法シミュレーションを行い,血流速度,圧力,せん断応力といった解析値が得られ,瘤形状やサイズによる影響を評価することが可能となった.
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