研究課題/領域番号 |
18K15592
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
三浦 英治 広島大学, 医歯薬保健学研究科(医), 特任助教 (50752078)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | ロバスト計画 / VMAT |
研究実績の概要 |
ロバスト最適化臨床応用について:X線ロバスト最適化計画の適応部位について模索し、我々の過去研究から、体の端にある喉頭がんへの適応が望ましいと仮定し、倫理委員会の承諾後、研究を開始した。喉頭は、体の端にあるだけでなく頸動脈への距離も近いため、ロバスト最適化が有用であると考えられる。ロバスト最適化計画では、PTVベース最適化計画と比較して、ターゲットに高い線量が与えることができ、隣接する頸動脈の線量を有意に減少させることができた。動きが生じた場合のシミュレーションでも、ロバスト最適化はPTVベース最適化計画と比較して、バラつきが小さく治療計画通りの照射が可能である。本研究結果は、Volumetric modulated arc therapy with robust optimization for larynx cancer Physica Medica 58 (2019) 54-58に、論文採択された。また、国際学会ESTRO2019で発表した。またJASTRO2019でも発表予定であり、国内・国外で自身の研究の知見を広げている。 ロバスト最適化計画の安全性について:ロバスト最適化計画が従来のPTVベース最適化計画と比較して、MLCの動きが複雑でないか、また、放射線治療装置で安全に投与できるかを確認した。実際に、MLCの複雑性を測定し、従来の計画と大きく変わらないことを確認している。また、放射線治療装置で照射後のログファイルを取得し、MLCやガントリが計画通り動作しているか確認した。また電離箱線量計、三次元半導体検出器を使用して安全に照射できることを確認した。両者の最適化方法に大きな違いはないことがわかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
採択後、倫理委員会の承認後、患者データを使用してロバスト最適化計画を喉頭癌に適応することが可能であるを導いた。現在、その他の部位への拡大を検討している。肝臓への適応の可能性の実験は完了し、データ解析中である。肺への適応に向けて実験を開始しているところである。 治療計画装置上だけでなく、実際の治療装置とファントムを使用して、線量が確実に照射できているかも検討している。また、実際に照射したログデータを用いた解析も行っている。 上記記述のように、確実にロバスト最適化計画法の適応部位の可能性を模索中である。
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今後の研究の推進方策 |
今後、ロバスト最適化計画の適応部位を拡大していく予定である。 当初機械学習を使用する予定であったが、深層学習も取り入れる予定である。 当初想定した、機械学習を使用して、最適化条件を算出する予定であったが、最適化計画の最適化になってしまうので解を算出するのが困難であると想定される。 ロバスト最適化は、密度や距離に影響されるため、これらをパラメータとして計算を行う予定である。
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