2017年に入って、造影CTにおけるヨードのX線吸収(光電吸収)がX線被曝の増加につながり、単純CTと比較して造影CTでは腎臓の被曝が54%増加する可能性があると報告された(Radiology.2017;283)。しかし、被曝が過大に評価されているとの反論もあり、ヨード造影剤が臓器被曝へ与える影響について、現時点では一定のコンセンサスは得られていない。特に冠動脈CT angiography(CTA)に関しては今まで検討がなされておらず、放射線感受性の高い肺や乳腺の被曝に造影剤量(造影効果)や撮像プロトコールが与える影響も不明である。この研究では、冠動脈CTAにおいて胸部臓器の被曝線量・分布に造影剤量(造影効果)・撮像プロトコールがどれほど影響を与えるかを調べた。
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