研究課題/領域番号 |
18K15600
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
濱本 耕平 自治医科大学, 医学部, 准教授 (10816614)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 非造影MRA / arterial spin labeling / 超短縮エコー時間MRI / 血管塞栓術 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、ASL法併用UTE-MRIによる新たな血管塞栓術後治療効果判定法を確立することにある。 2018年度には下記の検討を行い、最適なMRI撮像パラメーターを決定した。 検討1)各金属塞栓子におけるASL併用UTE-MRIの至適パラメーターの決定 検討2)体幹部各領域におけるASL併用UTE-MRIの至適パラメーターの決定 2019年度は、検討2)におけるボランティア数を増加させ、撮像パラメーターの最適化に関するさらなる検討を行った。結果、概ねこれまでと同様の結果が得られたが、血管形態の差異(屈曲蛇行の程度)や対象病変部位(中枢側または末梢側など)によってASLパルスの印可部位や血流信号の収集タイミングを最適化する必要があることが明らかとなった。特に、脾動脈では血管形態のvariationが大きく、症例により撮像条件を調整する必要があることが判明した。また、本年度は、本研究の最終目的である臨床症例での検討およびASL併用UTE-MRIによる塞栓後治療評価法の確立に着手した。検討1および2で得られた知見をもとに、肺動脈、腎動脈、脾動脈、膵十二指腸動脈、内腸骨動脈病変の塞栓後評価法としてのASL併用UTE-MRIの有用性を評価すべく研究計画を立案した。現在、施設内の倫理委員会研究計画の承認を得る段階にある。倫理委員会の承認が得られ次第、症例や画像の収集を行い、その知見を元に、ASL併用UTE-MRIによる塞栓後治療評価法の確立を行っていく予定である。また、その内容に関して、学会発表や学術論文への発表を予定している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
自施設内の倫理委員会のよる研究計画の承認までに時間を要していることや、新型コロナウイルス感染症への対応により、研究計画書の目標の達成が一部遅延している。
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今後の研究の推進方策 |
臨床症例での検討を行いASL併用UTE-MRIによる塞栓後治療評価法を確立する。具体的には、検討1および2で得られた知見をもとに、金属塞栓子の種類および病変部位に応じた最適なパラメーターを用いて塞栓後病変部位のASL併用UTE-MRIを撮像する。対象病変数は、肺動脈、腎動脈、脾動脈、胃十二指腸動脈のそれぞれで10病変を目標とする。得られたMRI画像に関して、3名の放射線科医による画質の視覚スコア評価および読影者間の一致度評価を行う。血管造影画像を参照画像とし、各標的部位および塞栓子におけるASL法併用UTE-MRIの塞栓後残存血流の検出感度、特異度、陽性的中率、陰性的中率を算出し、同手法の実行可能性および有用性について評価する。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度は、これまでの研究結果の解析や臨床例における検討を行う際の研究計画の推敲を行っていたため、機器購入費や消耗品、謝金として計算していた分に余剰が生じた。本年度は、解析用のPCの購入やボランティアや患者のMRIの検査代金として研究費を使用する予定である。その他は論文作成の英文校閲費や学会発表の旅費などに使用する予定である。
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